小さな頃からネイビーばかり着せられていた。
小学校高学年の頃のスキー遠足で、集合写真の女の子たちはみんな赤いスキーウエアなのに私だけネイビー。なぜ私の両親…多分母親は私にネイビーばかり着せたのだろう。
その影響か、自分で服を選ぶようになってもネイビーやグレーなど落ち着いた色ばかり選んできた。もちろんそれが自分に似合うからだと思っているのだけど。デザインは変わったものが好きだから、色のトーンを落とすことでバランスをとっていたのかもしれない。
小物はあまりたくさんの人の目に触れないから、そこにたまに赤を持ってくることもある。なんともエネルギッシュな色。見ているだけでパワーをもらえる気がする。
今日、ふらっと立ち寄った洋服店で赤いセーターを見かけた。何度も何度も手にとっては離し、違うものを見てからまた戻ってきてまた手にとる。とても着心地がよさそうで、ボトムスは何がいいかな、デニムでもいいし少し長めのスカートもかわいいな、なんて私の頭と心が会話を重ねている。おそらくやや不審な感じだったのだと思う、お店のスタッフの方が「迷われてますか?」と声をかけてくれた。
私のそばに近づいてきたことすら気が付かなかったので、あ、と思ったけど「わかります?」と素直に言って笑ってしまった。
それからはいろいろなアドバイスなんかをしてくださり、私もそれに納得できたので買うことにした。
後ろのほうが少し長くなっていて、袖のリブの部分も長めにとってある。そしてその“赤”具合がなんともちょうどよくて、私の落ち着いた雰囲気に少し変化をくれそう。
11月ももう終わる。来月からは今年の最後を彩るホリデーシーズン。私の気分があがればいいわけだから楽しみながら着てみよう。